報酬と好奇心
アンダーマイニング効果
もともと楽しんでいた行動に条件付きの報酬を付けると、報酬がなくなった後に自分からはやらなくなることがある。
結果が分かれる追試やメタ分析で結果が分かれています。効果を前提にしないでください。
たとえば
絵を描くのが好きな子どもに「描いたらご褒美」と約束すると、その後の自由時間に描く時間が短くなった。
なぜ効くか
報酬が「やる理由」に見えると、自分で選んでいるという感覚が下がる。一方で、上達を伝える言葉のフィードバックは、内発的な動機を高める向きに働いた。
Webでの使い方
楽しめる体験(診断、ツール、ゲーム)には、遊ぶ前から報酬を約束しない。終わった後に思いがけない特典として渡すか、結果の内容そのものを報酬にする。
逆効果になる条件
「〇〇したらポイント」を常に用意すると、ポイントのない行動をしなくなる。報酬の効果には研究者の間で議論があり、条件によって結果が変わる。
根拠
報酬を約束されて絵を描いた子どもは、約束されなかった子どもより、その後の自由時間に描く時間が短かった。
Lepper, M. R., Greene, D., & Nisbett, R. E. (1973). Undermining children’s intrinsic interest with extrinsic reward. Journal of Personality and Social Psychology, 28(1), 129-137. 資料を開く
128件の実験をまとめ、予期された有形の報酬が自由選択時の内発的動機を下げ、肯定的なフィードバックが高めたと報告した。この結論には反対の立場のメタ分析もある。
Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M. (1999). A meta-analytic review of experiments examining the effects of extrinsic rewards on intrinsic motivation. Psychological Bulletin, 125(6), 627-668. 資料を開く
古典とつなぐ
つながりは当サイトの編集上の見立てで、研究の結果ではありません。原文の意味は古典のページで確かめてください。
予助苗長矣。苗を早く伸ばそうと引っ張り、枯らしてしまった人の話(揠苗助長)の一節。外から急かす働きかけが本来の伸びを損なう構図が、条件付きの報酬が自発的な意欲を下げる現象と重なる。
孟子 公孫丑上:判断を支える姿勢 →